私が12年間務めた仕事を辞めた理由|夢の教員を手放してでも選んだ“いま”

🎓 教員をやめて

私は今年の3月、小学校教員という仕事を辞めました。
12年間、全力で走り続けてきたこの仕事は、子どものころからの夢でした。
大学卒業後には通信教育に通い、国家試験を受けて、ようやく叶えた道。
子どもは大好きだし、職場の仲間にも恵まれ、仕事に誇りもやりがいも感じていました。

それでも私は、教員という仕事を手放す決断をしました。
その理由は――妊活との両立が難しかったからです。


異動の年と妊活のタイミングが重なって

教員には定期的な異動があります。おおよそ3~6年ごとに、別の地域や学校に異動する決まりです。
私が退職を決意した年は、ちょうどその節目。6年間勤務した学校から、次の場所へ異動する年でした。

異動は、仕事そのものは変わらなくても、人間関係や校内ルール、システムや業務フローなど、ほとんどすべてが“はじめまして”からのスタートです。
ただでさえ多忙とされる教員の仕事。そこに新しい環境での対応が重なる異動の年は、心身ともに大きな負担になります。

今までの私なら、それでも楽しみながら挑戦できたと思います。
でも、今の私にとって最優先は「妊活」でした。


妊活と教員の仕事は両立できるのか

もしうまくいってすぐ妊娠できたら、
「異動してすぐ妊娠?」「休みがちで心配、迷惑。」
そんな周囲の目が気になってしまう。

さらに、通院や体調によるお休み、学級の状況によってはストレスも大きくなりそう…。
新しい職場で、これまでのように全力を注げるかどうか、不安がありました。


夫の一言が、心を軽くしてくれた

年明けの1月ごろから、夫と何度も話し合いました。
そのとき、夫が言ってくれた言葉が今も心に残っています。

「やりがいを感じていて、後悔しそうなら続けてもいい。でも、お金の不安が理由なら、やめても大丈夫。なんとかなるよ。」

胸がつまるような思いでした。
私はどちらも気にしていました。
そして、「夢だった仕事を途中でやめることが逃げになるのでは?」と悩んでいました。

「誰の目を気にしてるの?」

夫にそう言われて、ハッとしました。
きっと、気にしていたのは他の誰でもない、「自分自身」でした。


「今しかできないこと」を優先する決断

最終的な決め手は、自分の人生において今なにが一番大切かを考えたことでした。

教員の仕事は、またいつか戻れるかもしれない。
でも、妊活にはタイムリミットがある。
「今しかできないことを後悔したくない」――そう強く思いました。


周囲の反対と、子どもたちへの想い

退職を決意してからも、上司や親には反対されました。
「せっかく先生になったのにもったいない」「まずは両立してみたら?」
そんな声に揺れた日もありました。

でも、私はどうしても子どもがほしかった。年齢的にも、卵巣年齢的にも焦りがありました。

一番つらかったのは、子どもたちへの説明でした。
「先生、なんでやめちゃうの?」と涙を浮かべて聞かれても、うまく言葉にできませんでした。

結局、「先生は大好きだけど、ほかにも挑戦してみたいことがあるんだ」と、あいまいな言い方しかできませんでした。

それでも、たくさんのお手紙やプレゼント、涙で見送ってくれた子どもたち。
その姿に、教員という仕事がどれほど尊く、誇れるものだったかをあらためて実感しました。


退職して3ヶ月、後悔はしていない

退職して3ヶ月がたちました。
あれほど慌ただしかった毎日が、今はゆっくりと流れています。

「社会の役に立っていないのでは?」
「私は今、何をしているのだろう?」
そんなふうに感じることも、正直あります。

でも、後悔はありません。

時間ができた今、妊活の勉強をしたり、簿記の資格に挑戦したり、Web系の勉強をしたり…。
なにより、自分の体とじっくり向き合うことができました。


妊活に集中できた今だからこそ見えたこと

持病のために病院を変えて精密検査を受けたり、人生初の人間ドックも受けました。
そして、結果的には流産というつらい経験もありましたが、妊娠も経験することができました。

どれも、教員を続けていたらきっと難しかったと思います。
できたとしても、きっと心も体もボロボロになっていたと思います。

だからこそ、いまのこの時間を大切にしたい。
「やめてもいい」と背中を押してくれた夫、最終的に認めてくれた家族に感謝しながら――。


最後に

教員を辞めることに不安がなかったといえば嘘になります。
でも、「いま一番大切なことはなにか」と立ち止まって考えたとき、私はこの選択をしました。

同じように悩んでいる方に、少しでも届いたらうれしいです。
妊活も仕事も、自分の人生も、「これでよかった」と思えるように、これからも前に進んでいきたいと思います。

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